○吉野ヶ里町議会基本条例
平成25年12月18日
条例第30号
目次
第1章 総則(第1条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第2条・第3条)
第3章 町民と議会の関係(第4条)
第4章 町長と議会の関係(第5条―第8条)
第5章 自由討議の拡大(第9条)
第6章 議会改革の推進(第10条・第11条)
第7章 議会及び議会事務局の体制整備(第12条―第16条)
第8章 議員の身分、待遇及び政治倫理(第17条―第19条)
第9章 最高規範性及び見直し手続(第20条―第22条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、分権と自治の時代にふさわしい、町民に身近な政治としての吉野ヶ里町議会(以下「議会」という。)及び吉野ヶ里町議会議員(以下「議員」という。)の活動の活性化と充実のために必要な議会運営の基本事項を定めることにより、町政の情報公開と町民参加を基本にした、吉野ヶ里町の持続的で豊かなまちづくりの実現に寄与することを目的とする。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第2条 議会は、町民主権を基礎とする町民の代表機関であることを常に自覚し、公正性、透明性及び信頼性を重んじた町民に開かれた議会並びに町民参加を不断に推進する議会を目指して活動する。
2 議会は、正副議長の選出に当たり、本会議においてそれぞれの職を志願する者に対して所信を表明する機会を設け、その選出の過程を町民に明らかにしなければならない。
4 議長は、議会規則において別に定める町民の傍聴に関し、適切な資料等を提供する等、町民の傍聴の意欲を高める議会運営に努める。
5 議会は、会議を定刻に開催するものとし、会議を休憩する場合には、その理由及び再開の時刻を傍聴者に説明するよう努める。
6 議会は、会議に関する情報を広く町民に配布するとともに、ホームページに掲載する等情報を積極的に周知しなければならない。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議の推進を重んじなければならない。
2 議員は、町政の課題全般について、課題別及び地域別等の町民の意見を的確に把握するとともに、自己の能力を高める不断の研さんによって、町民の信託に応える活動をするものとする。
3 議員は、個別的な事案の解決だけでなく、町民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない。
第3章 町民と議会の関係
(町民参加及び町民との連携)
第4条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。
2 議会は、本会議のほか、常任委員会、特別委員会を原則公開するものとする。
3 議会は、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、町民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるものとする。
4 議会は、請願及び陳情を町民による政策提案と位置付けるとともに、その審議においては、これらの提案者の意見を聴く機会を設けることができる。
5 議会は、町民、町民団体、NPO等との意見交換の場を多様に設けて、議会及び議員の政策能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るものとする。
6 議会は、議案に対する各議員の態度を議会広報で公表する等議員の活動に対して町民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めるものとする。
7 議会は、全議員の出席のもとに町民に対する議会報告会を少なくとも年1回開催して、議会の説明責任を果たすとともに、これらの事項に関して町民の意見を聴取して議会運営の改善を図るものとする。
第4章 町長と議会の関係
(町長等と議員の関係)
第5条 議会の本会議における議員と町長及びその執行機関の職員(以下「町長等」という。)の質疑応答は、広く町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行う。
(町長による政策等の形成過程の説明)
第6条 議会は、町長等が提案する計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)について、政策等の水準を高めるため、町長等に対して、次に掲げる事項の説明を求めるものとする。
(1) 必要とする背景
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 総合計画における根拠又は位置付け及び整合性
(4) 関係する法令及び条例等
(5) 財源措置及び将来負担すべき経費
(6) 政策等の効果
2 議会は、政策等の提案を審議するに当たっては、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。
(予算及び決算における政策説明資料の作成)
第7条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、前条の規定に準じて、分かりやすい施策別又は事業別の説明を町長等に求めるものとする。
(議決事項)
第8条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の規定による議会の議決事項については、代表機関である議会が、町政における重要な計画等の決定に参画する観点と同じく代表機関である町長の政策執行上の必要性を比較考量の上、次のとおり定めるものとする。
(1) 吉野ヶ里町基本構想及び総合計画
(2) 吉野ヶ里町地域防災計画
(3) 吉野ヶ里町男女共同参画基本計画
(4) 吉野ヶ里町観光戦略計画
(5) 農業振興地域整備計画
第5章 自由討議の拡大
(自由討議による合意形成)
第9条 議会は、議員による討論の広場であることを十分に認識し、議員相互間の討議を中心に運営しなければならない。
2 議会は、本会議、常任委員会、特別委員会等において、議員提出議案、町長提出議案及び町民提案等に関して審議し結論を出す場合は、議員相互間の自由討議により議論を尽くして合意形成に努めるとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。
3 議員は、前2項の規定による議員相互間の自由討議を拡大するため、政策、条例、意見等の議案の提出を積極的に行うよう努めるものとする。
第6章 議会改革の推進
(議会改革推進会議)
第10条 議会は、議会改革に継続的に取り組むため、議員で構成する議会改革推進会議を設置する。
2 議会は、必要があると認めるときは、前項の議会改革推進会議に識見を有する者等を構成員として加えることができる。
(交流及び連携の推進)
第11条 議会は、他の自治体の議会との交流及び連携を推進するため、独自に、又は共同して、分権時代にふさわしい議会の在り方についての調査研究等を行うものとする。
第7章 議会及び議会事務局の体制整備
(委員会等の適切な運営)
第12条 議会は、社会、経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため、常任委員会、特別委員会等の適切な運営により機動力を高めなければならない。
(議会図書室の設置及び公開)
第13条 議会は、議会図書室を設置するとともに、これを議員のみならず、町民及び町職員の利用に供するものとする。
(議会事務局の体制整備)
第14条 議会は、議会及び議員の政策形成及び立案能力を高めるため、議会事務局の調査機能及び法務機能を積極的に強化する。なお、当分の間は、執行機関の法務機能の活用、職員の併任等を考慮するものとする。
(議員研修の充実強化)
第15条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化を図り、この条例の理念を議員に浸透させるよう努めるものとする。
2 議会は、議員研修の充実強化に当たり、広く各分野の専門家、町民各層等との議員研究会を積極的に開催するものとする。
(議会広報の充実)
第16条 議会は、町政に係る重要な情報を、議会独自の視点から、常に町民に対して周知するよう努めるものとする。
2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。
第8章 議員の身分、待遇及び政治倫理
(議員定数)
第17条 議員定数は、別に条例で定める。
2 議員定数の改正に当たっては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して町民の意見を広く聴くものとする。
3 議員定数の条例改正案は、法第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付し議員が提案できるものとする。
(議員報酬)
第18条 議員報酬は、別に条例で定める。
2 議員報酬の改正に当たっては、町の常勤特別職及び一般職の職員に支給される給与の状況、他の市町の動向並びに町の財政状況を総合的に考慮し、議会及び議員活動に関して町民の意見を聴くとともに、吉野ヶ里町特別職報酬等審議会の意見を尊重するものとする。
3 議員報酬の条例改正案は、法第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付し議員が提案できるものとする。
(議員の政治倫理)
第19条 議員は、町民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって、町民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。
第9章 最高規範性及び見直し手続
2 議会は、議会に関する日本国憲法、法律及び他の法令等の条項を解釈し、運用する場合においても、この条例に照らして判断しなければならない。
(議会及び議員の責務)
第21条 議会及び議員は、この条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例、規則、規程等を遵守して議会を運営し、もって町民を代表する合議制の機関として、町民に対する責任を果たさなければならない。
(見直し手続)
第22条 議会は、一般選挙を経た任期開始後、できるだけ速やかに、この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検討するものとする。
3 議会は、この条例を改正する場合には、全議員の賛同する改正案であっても、本会議において、改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。
附則
この条例は、平成26年1月1日から施行する。