○吉野ヶ里町ふるさと納税活用型企業誘致・育成条例

令和5年12月12日

条例第21号

(目的)

第1条 この条例は、ふるさと納税に係る返礼品の提供を行うために、吉野ヶ里町(以下「町」という。)内において、事業所の新設、増設若しくは移設(以下「新設等」という。)又は地場産品の開発、販路拡大等を行う事業者に対して、創業支援及び企業育成に資するための必要な奨励措置を講ずることによる新たな地域資源の創出と雇用の拡大を図り、もって町の持続的な経済活性化並びに産業振興を促進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 地場産品 町の魅力向上及びブランド化に資するため、独自に特色を生かして生産、製造、加工若しくは提供(以下「製造等」という。)がされた商品又はサービス等をいう。

(2) ふるさと納税 地方税法(昭和25年法律第226号)第37条の2及び第314条の7の規定に基づき、寄附金税額控除が適用される寄附をいう。

(3) 返礼品 ふるさと納税の寄附金額に応じて、町が独自に寄附者に対して提供する商品又はサービス等をいう。

(4) 新設 町内に事業所を有しない事業者が町内に新たに事業所を設置すること又は町内に事業所を有する事業者が現に行っている事業と異なる事業の事業所を町内に設置することをいう。

(5) 増設 町内に事業所を有する事業者が事業規模を拡大する目的で、既存の事業所を拡張すること又は現に行っている事業と同一事業の事業所を町内に設置することをいう。

(6) 移設 町内に事業所を有する事業者が事業規模を拡大する目的で、既存の事業所を廃止し、新たに町内に事業所を設置することをいう。

(7) 投下固定資産総額 事業所の新設等に伴い、新たに取得した地方税法第341条第2号に規定する土地、同条第3号に規定する家屋及び同条第4号に規定する償却資産(第11条第1項に規定する承認申請の日から規則で定める期間前までの間に取得したものであって、直接事業の用に供する部分に限る。以下この号においてこれらを「固定資産」と総称する。)を取得するために要した費用の総額から次に掲げるものを控除した額をいう。

 消費税及び地方消費税(以下「消費税」という。)

 他の補助金等の交付を受けている場合は、当該補助金の額

 他の企業等からの譲受けにより取得した事業所の固定資産に係る費用

(8) 新規雇用者 事業所の新設等に伴い、新たに雇用された町内に居住する者をいう。

(9) 転属者 町内における事業所の新設等に伴い、町外の既存の事業所から当該事業所に転属し、かつ、町内に転居した者をいう。

(10) 中小企業 町内に事業所を有する中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項に規定する中小企業者、一般社団法人、特定非営利活動法人、社会福祉法人、農事組合法人等をいう。

(地場産品創出企業の責務)

第3条 町内で商品又はサービスの製造等を行う事業所(以下「事業所」という。)を有し、町のふるさと納税に係る返礼品を提供しようとする事業者(以下「地場産品創出企業」という。)は、町との相互協力及び情報共有等を図り、地場産品の創出及び拡大が重要な責務であることを自覚し、当該事業に取り組まなければならない。

(奨励金の種類)

第4条 町長は、地場産品創出企業に対し、ふるさと納税を活用した企業の立地及び発展等の促進に資する奨励として、予算の範囲内において次に掲げる奨励金の交付を行うことができる。

(1) 事業所設置奨励金

(2) 雇用促進奨励金

(3) 地場産品創出拡大奨励金

(承認)

第5条 町内に事業所の新設等を行う地場産品創出企業(以下「新規創業者」という。)は、前条第1号に規定する事業所設置奨励金の交付を受けようとするときは、第11条に規定する奨励措置の適用に関し、返礼品の提供を開始する日(以下「返礼品提供開始日」という。)前までに町長の承認を得なければならない。

(奨励措置併用の取扱い)

第6条 前条の規定にかかわらず、吉野ヶ里町企業立地奨励に関する条例(平成18年吉野ヶ里町条例第132号)第3条に規定する奨励措置の適用を受ける場合は、この奨励措置の適用対象としない。

2 前項に規定するもののほか、町から他の奨励措置等の適用を受ける者であって規則で定めるものは、当該奨励措置の適用対象としない。

(新規創業者の要件)

第7条 新規創業者は、次の各号に掲げる全ての要件を満たすものとする。

(1) 事業所において3年以上、地場産品の製造等を行う意思があること。

(2) 事業所の新設等に係る投下固定資産総額が1,000万円以上であること。

(3) 事業所において製造等がされた地場産品を、町のふるさと納税に係る返礼品として提供すること。

(4) 第5条の承認の日から1年以内に前号に規定する返礼品の提供を開始すること。

(5) その他規則において定める要件を満たすこと。

(事業所設置奨励金)

第8条 事業所設置奨励金は、新規創業者が地場産品の製造等を行う事業所を設置する場合に交付する。

2 事業所設置奨励金の額等は、返礼品提供開始日以降における成果応分型とし、1事業所につき次のとおりとする。

(1) 事業所設置奨励金の額は、事業所で製造等された返礼品の発送実績数に応じて町が受領した寄附実績額の10分の3を乗じて得た額(その額に1,000円未満の端数が生じた場合は切り捨てた額)とする。

(2) 事業所設置奨励金の交付対象期間は、返礼品提供開始日から起算して3年間とし、投下固定資産総額の90パーセントまでの額を上限とする。ただし、1年間当たりの上限額は30パーセントまでとする。

3 前2項に定めるもののほか、事業所設置奨励金に関し必要な事項は、規則で定める。

(雇用促進奨励金)

第9条 雇用促進奨励金は、前条に規定する事業所設置奨励金の適用を受けた新規創業者が、当該事業所で製造等を行うに当たって、規則で定める町内に居住する新規雇用者又は転属者(以下「雇用者」という。)を、返礼品提供開始日から起算して3年以内の期間において、1年以上雇用した場合に、当該雇用者の人数に応じて交付する。ただし、1雇用者につき1回限りの交付とする。

2 雇用促進奨励金の額は、規則で定める雇用形態に応じ、雇用者1人につき次のとおりとする。

(1) 20万円(非常用雇用者)

(2) 50万円(常用雇用者)

3 前項に規定する雇用促進奨励金の額は、1事業所につき3,000万円を上限とする。

4 新規創業者は、町内居住者を積極的に雇用するよう努めるものとする。

5 前各項に定めるもののほか、雇用促進奨励金に関する必要な事項は、規則で定める。

(地場産品創出拡大奨励金)

第10条 地場産品創出拡大奨励金は、既に事業所を有する地場産品創出企業(中小企業に限る。この条において同じ。)が、当該事業所において商品開発、製造拡大、販路開拓その他売上げの拡大等のために要した費用(消費税を除く。)について、規則で定める生産性及び企業価値の向上に資するものとして認める経費を対象に交付する。

2 地場産品創出拡大奨励金の額等は、各地場産品創出企業の実績等に基づき、規則で定める。

3 地場産品創出拡大奨励金の交付は、当該年度1回限りとする。

4 当該年度において、事業所設置奨励金の適用を受けている場合は、この地場産品創出拡大奨励金の交付対象としない。

5 前各項に定めるもののほか、地場産品創出拡大奨励金に関し必要な事項は、規則で定める。

(奨励措置適用の承認申請)

第11条 新規創業者は、第5条に規定する奨励措置の適用に関する承認を受けようとする場合は、返礼品提供開始日前までに、規則で定めるところにより町長に申請しなければならない。

2 町長は、前項の規定による承認申請があったときは、速やかにその内容を審査し、承認の可否を決定の上、規則で定めるところにより当該新規創業者に通知する。

3 町長は、必要があると認めるときは、前項の承認に合わせて必要な条件を付すことができる。

4 前3項に定めるもののほか、奨励措置適用の承認申請手続に関し必要な事項は、規則で定める。

(承認申請の変更及び取消し)

第12条 新規創業者は、前条に規定する承認を受けた後において、同条第1項の申請内容に変更等が生じた場合は、規則で定めるところにより返礼品提供開始日から6か月以内までに、当該変更等があった旨を町長に届け出なければならない。

2 前項の規定による変更の届出を行う必要がある事項は、規則で定める。

3 町長は、新規創業者が偽り、不正その他規則で定める事項に該当するものと認められる場合は、当該承認を取り消すことができる。

4 町長は、第1項の規定による変更の届出があった場合又は前項の規定により承認の取消しをしたときは、規則で定めるところにより当該新規創業者に通知する。

5 前各項に定めるもののほか、奨励措置適用の変更及び取消手続に関し必要な事項は、規則で定める。

(返礼品の提供開始)

第13条 承認を受けた新規創業者は、町との必要な調整を図り、返礼品提供事業者の登録に関する手続を行わなければならない。

2 承認を受けた新規創業者は、規則で定めるところにより返礼品の提供を開始するときは、町長に届け出なければならない。

(奨励金の交付申請、請求等)

第14条 町は、奨励金の交付条件等を勘案し、規則で定める期間を交付対象期間としてあらかじめ指定することができる。

2 奨励金の交付を受けようとする地場産品創出企業は、規則で定めるところにより町長に申請しなければならない。

3 町長は、前項の規定による交付申請があったときは、速やかにその内容を審査し、交付の可否を決定の上、規則で定めるところにより当該地場産品創出企業に通知する。

4 前項の規定による交付決定を受けた地場産品創出企業は、規則で定めるところにより町長に奨励金を請求するものとする。

5 町長は、前項の規定による奨励金の請求があったときは、その内容を確認し、地場産品創出企業に当該奨励金を交付する。

6 前各項に定めるもののほか、奨励金の交付手続に関し必要な事項は、規則で定める。

(交付決定の取消し及び返還)

第15条 町長は、地場産品創出企業が第12条第3項の規定に該当する場合のほか、規則で定める返礼品提供事業者の参加取消し等に関する事項に該当するものと認められる場合は、交付決定の全部又は一部を取り消すことができる。

2 町長は、前項の規定による交付決定の取消し等を行った場合は、規則で定めるところにより当該地場産品創出企業に通知する。

3 町長は、前項の規定により交付決定を取り消した場合において、既に奨励金が支払われているときは、規則で定めるところにより地場産品創出企業に対して当該奨励金の返還を命ずる。

4 前3項に定めるもののほか、奨励金の交付決定の取消し及び返還手続に関し必要な事項は、規則で定める。

(報告及び調査)

第16条 町長は、本奨励金事業に関して必要があると認めるときは、地場産品創出企業に対して報告を求め、及び現地調査を行うことができる。この場合において、当該地場産品創出企業は、これに応じなければならない。

2 町長は、地場産品創出企業への奨励金の交付等に関して調査の必要があると認めるときは、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)に基づき、町が他の目的のために保有する情報を調査に必要な限りにおいて使用することができる。

(委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、令和6年1月1日から施行する。

吉野ヶ里町ふるさと納税活用型企業誘致・育成条例

令和5年12月12日 条例第21号

(令和6年1月1日施行)